Υ く じ ら イ ン フ ォ メ ー シ ョ ン Υ


モービィ・リップからの脱出』に関する
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質問状をビン詰めにして、HUGO HALLまでお気軽に
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ゲームブック不朽の名作の復刊、新作をもりもり手がける出版社、創土社の編集者酒井さんのコメント


今回は他社さんからもゲームブックならぬ、ブックゲームが出ると聞きまして、良いところはどんどんパク…いや、参考にさせてもらうべく早速購入したこの本。なるほど、この本をゲームブックと呼ばずに、ブックゲームと呼ぶ理由がよく分かります。読めば分かるので読んでください。

…って、それでは紹介にならないので、ちょっと真面目に。編集やってる自分でも時々、フーゴ・ハル氏が絵師なのか、作家なのか、おもちゃ職人なのか、人間なのか分からなくなるときがあるんですが、つくづく「ゲームを作る人」なんだと再認識させられました。

モービィ・リップは従来の「ゲーム・ブック」が進化した、新しいジャンルのゲームです。「本という形態」という制限の中でゲームを作ったらどこまでのことができるだろうか? という遊び心を各所に盛り込まれているすごい作品です。創土社の本が20世紀に確立されたゲームブックというジャンルを再現していくシリーズなら、モービィ・リップは「ゲームブック」という言葉で今まで表現されてきた垣根を越えて、ゲームとしての可能性を追求した本。

そして、今までのゲームブックで不満に思われることが多かった要素をどこまで取り除けるかにも挑戦している本ですね。まず、この本は紙と鉛筆を一切必要としません。主人公にHP(体力点)はあるんですが、実に上手い方法でこの数値を管理しています。普通に電車で通勤中に読むことにおいて小説などと変わりがありません。鉛筆が必要なゲームブックだとこのへんでちょっとストレスを感じてしまうことがありますよね。ここは見習いたい。

物語はおもに迷宮を舞台にして進行していくのですが、その迷宮の進み方はマップがページの上のところに描かれていて、ページをめくると絵が繋がっています。読者は視覚的にダンジョンを歩き回って、突き当たった項目番号を参照することでイベントをこなしていきます。クチで言うのは簡単ですが、ただテキストを打つだけではこの構造を本として作れません。職業柄、どうしても作り手としての視点で見てしまう私はこの本を作るために氏はどれほどの手間をかけたのだろうかと遠い目になってしまいました。

もちろん、グレイルクエストシリーズでお馴染みのフーゴ・ハルのユーモア溢れる空気も健在。敵も味方も面白おかしくしなければ気が済まないタチなんですね。

ただし、読むのが楽だからと言って、ゲームの難易度が低いかといえばそうではありません。最初、ナメていて適当に歩いていったら完璧に迷ってしまいました。それでも終わりまで行くだけなら、難しくはないんですが、そこはアレ。やりこみの要素を残して、もう一回読んでくれというのがヒシヒシと伝わってくるマルチエンディング。最高のエンディングに到達するのは結構大変です。つまり、ライトな読者もコアなゲームブックマニアも両方を満足させる配慮がなされているんです。ゲームブックを知らない人に知ってもらうために、最初に読むのに適した本は火吹山でも、ドルアーガでもなくて、こんな本こそ相応しいのかもしれません。


さっすがの分析力と軽妙な書きっぷり。ありがとうございます。
「モービィ・リップからの脱出」がおもしろかったら
創土社刊の「ドラキュラ城の血闘」もお口に合うはずなので、ぜひお試しください。
なお、創土社でもHUGOオリジナル作の予定あり。首を長〜〜〜〜くして待て。



もちょっとラクしてさまよいたい

 気楽に最後までたどり着きたいなら、フラグをチェックする地点のページの下端を
折ってみてはいかがでしょう。行き詰った時、どこをチェックすればよいかがわかります
(忘れると迷路をさまよう手間が著しく上昇)。


ナジャにご注意

 74ページのナジャの絵ですが、後ろに見えているのはホウキの先で、
手は挙げておりませぬ。わかりにくくてごめんごめん。

 

81・84・90ページあたりでループする

 なんてことがまれにある起きると、指摘されて今頃発覚。
そうなった時は、緊急処置としまして
96ページの(88)と81ページの(41)を入れ替えてくださいませ。

 

同行していないはずのゲイ人がいつの間にか同行していたりする

 96ページの「七六」を通っていたら、まず、ここでのやりとりを思い出してください
「七六から道を戻る」という指示をうっかり見逃して先へ進んでいる可能性が大ちゃんです。
表記があっさりしすぎていたことをお詫びしますです 。
また、「一八」でアイツを眠らせたら、
アイツは冒険中はもう起きないので、「七六」に舞い戻らないようにしておくんなさい。

 

途中セーヴのための栞が欲しいかも

 ただ今、特製の【バカには見えない栞】を制作中、価格金貨1000枚で配布予定ですが、
待っていられない場合は、本のカバーのそでを挟み込んで代用すると効果大です。
私ならそうするだろう。

 

透かして見れば何とかなるさ

 ゲーム&物語には全く影響はないのですが195ページのステキな挿し絵は
193ページの「二一五」のモノであります。
許してください。そうですか、ありがとう。

 

246なんて知らないよ

 244ページ2行目の「→246ページの判定表へ」は「→巻末の判定表へ」の間違いでした。
 最後のおまけ部分だし、すぐわかることなので、冒険が止まってしまう事はありませんけどね。
くそうくそう。

 

数をひとつ思い浮かべる件について

 一度クリアしちゃえば相手を一撃で倒せる数がわかってしまいますね。
 はいはい、それでいいのです。1回目はギャンブル。2回目以降は、
 記憶力が問われることになります。一撃で倒せる数をなるたけ覚えておいて、
 繰り返し挑戦すると、クリアしやすくなっていく仕掛けなのであります。

新たな航海でモービィ・ダックと格闘する船長(想像図)